三重・松阪で千両箱から大判小判


江戸時代の豪商「長谷川家」旧邸宅の蔵で発見

三重・松阪で千両箱から大判小判

千両箱に入っていた享保大判金を持つ三重県松阪市の山中光茂市長=28日、同市

 三重県松阪市にある江戸時代の豪商「長谷川家」旧邸宅の蔵から千両箱が発見され、中に享保大判金や慶長小判など計54点の希少な古銭が入っていることが判明した。建物などを管理する同市の山中光茂市長は「豪商の歴史を感じさせる貴重な発見だ」と話している。

 長谷川家は14代400年以上の歴史を持つ家系で、木綿の商いで財産を築いた。旧邸宅の母屋は、江戸時代中期の元禄時代に当たる1690~1700年ごろに建造された。

 2013年4月に14代目当主の俊さんが土地・建物や保存史料を市に寄贈。市教育委員会が史料の調査を進める中で、今年2月に千両箱を発見した。

 併せて見つかった1907年作成の目録から、11代目当主の定矩氏(1868~1925年)が収集したものとみられる。「古銭の保存状態は悪くない」(市教委)が、現在の市場価値については調べる予定はないという。

 大判・小判などは6月以降、毎月第3金・日曜日に旧邸宅で一般公開される予定。