熊野古道の田辺市、スペインの都市と観光協定


サンティアゴ・デ・コンポステーラ市と観光交流協定

世界遺産の「巡礼道」が縁

熊野古道の田辺市、スペインの都市と観光協定

観光交流協定に調印した田辺市の真砂充敏市長(左)とサンティアゴ市のアンヘル・クラス市長(中央)=5月13日、サンティアゴ市役所(田辺市提供)

 世界遺産「熊野古道」で知られる和歌山県田辺市はこのほど、世界遺産登録10周年を迎え、同じ巡礼道を世界遺産に認められているスペイン北部ガリシア州のサンティアゴ・デ・コンポステーラ市と観光交流協定を締結した。

 和歌山県と田辺市は協定締結のため文化交流団をスペインへ派遣。真砂充敏市長とサンティアゴ・デ・コンポステーラ市のアンヘル・クラス・フェルナンデス市長が観光交流協定に調印した。

 調印式で真砂市長は「協定締結を契機に、観光振興はもとより、世界遺産であるための環境整備や保全といった総合的な取り組みについても学ばせていただきたい」と語った。これに対し、アンヘル・クラス市長は「“巡礼道”という共通点を有する遠く世界の東と西に位置する両市が絆を結んだとても大切な日だ。一緒に手を取り合って巡礼文化を世界に発信し、両市の発展に努めていきたい」と応じた。

 数百㌔に及ぶ巡礼の文化的景観を有する巡礼道が世界遺産に認められているのは、両市以外に例がなく、両市は今後、観光・文化・産業などの分野で交流を深める予定。