勝負どころ迷いなく、自信にあふれる錦織圭
フェレール破り決勝に進出、決勝で王者ナダルと対戦へ
勝利を決めた最後のサービスゲームが死闘を物語っていた。第3セット、5-3で迎えた第9ゲーム。錦織は40-0から追い付かれ、10度のジュースの末にサービスをキープ。フェレールのフォアがラインから外れたのを見届けた後も、苦しげに何度も肩で息をした。
粘り強さに定評のある世界5位のフェレールをねじ伏せた。「彼みたいな相手にイチかバチかではなく自分のテニスで勝てた。無理をしなくても戦える」。次の世界ランキングで初めてトップ10入りするだけの力を証明した一戦だった。
第1セットは追い付いてタイブレークに持ち込み、最後は第2サーブをフォアのリターンで崩して接戦をものにした。第3セットは3-2からの第6ゲームをブレーク。1本のダブルフォールトで乱れたフェレールを果敢なリターンで一気に追い込んだ。勝機を逃さず、迷わず仕掛けた。
かつては苦手だった球足の遅いクレーコートで10連勝。ストロークで凡ミスが少なく、打ち負けしなくなった。「自分から攻めてポイントを取れるようになった」と錦織。決勝の相手はクレーの王者ナダル。過去6戦全敗だが、以前とは違うテニスで挑むつもりだ。(マドリード時事)