石川が涙のメダル奪還、重圧はねのけ成長示す


世界卓球で日本女子、オランダを3-2で破る

石川が涙のメダル奪還、重圧はねのけ成長示す

女子準々決勝オランダ戦で勝利を決め、感極まる日本5番手の石川佳純(右端)と笑顔のチームメート=3日、東京・国立代々木競技場

 勝利が決まった瞬間、5番手の石川は安堵(あんど)の涙を流した。日本女子が4時間を超える激戦を制し、2大会ぶりのメダルを確定させた。「みんながつないでくれたので、このチャンスを逃さないようにと思っていた」。石川は仲間と抱き合い、喜びを分かち合った。

 苦い記憶がある。前回の準々決勝、韓国戦で5番手だった石川は第5ゲームで大きくリードしたが、勝負を焦ってミスを連発。ジュースの末に敗れて、ほぼ手中にしていたメダルを逃した。「この悔しさは世界卓球で晴らしたい。東京でリベンジしたい」。強い決意で試合に臨んでいた。

 41歳のリ・ジャオとの第2試合では、先にマッチポイントを握りながらも逆転負け。苦い記憶がよみがえる展開になったが、ここで成長を示した。

 勝負を決める第5試合は、第3ゲームに右足をひねるアクシデント。格下のエールラントにフルゲームに持ち込まれたものの、最後は振り切った。

 石川は過去2度の準決勝では、1勝もできていない。「あしたも戦える幸せをかみしめて頑張りたい」。三度目の正直へ、静かに闘志を燃やした。