ボランティア生かし、防災貢献への道を探る
「未来の被災地」と捉え、和歌山大の学生が連続講義を主催
東日本大震災の復興支援ボランティアを続けている和歌山大の学生団体が、同大で防災をテーマとした公開連続講義を始めた。南海トラフ巨大地震が起きた場合、大きな津波被害が予想される和歌山県を「未来の被災地」と捉え、防災や支援活動のため学生に何ができるかを探る。
団体代表の観光学部4年中村勇太朗さん(21)は「災害は自分たちだけでは到底解決できない課題。地域のさまざまな立場の人とも議論できる場をつくりたい」と話している。
講義は月1回、年間で12回開催予定。履修単位の対象外だが、学生のほか学外からも自由に参加できる。教授や県内自治体の防災担当部署、企業、マスコミなどから講師を招き、話を聞いた上で議論する。
団体はこれまで、岩手県陸前高田市などに延べ約100人の学生らを送り出し、がれきの撤去や側溝の泥かき、宅地の草刈りなどに従事。被災者や現地のボランティアとも交流し、学内で東北での活動に関する報告会や写真展を開催してきた。