日本初の本格的な天体望遠鏡の常時展示始まる
9年ぶりに一般公開、東京・上野公園の国立科学博物館で
日本で初めて作られた天体の動きを追尾できる本格的な望遠鏡の常設展示が15日、東京・上野公園の国立科学博物館で始まった。
長さ3・6メートル、直径20センチの望遠鏡は、日本光学工業(現ニコン)製。国立科学博物館(当時は東京科学博物館)の建物が1931年に完成した際、屋上の天文ドームに設置された。
巻き上げた重りが下がる力で水平方向に回転し、星の動きを追いかけられる。ただ「重りが下がり切るまで1時間持たないので、何度も巻き上げた」(西城恵一名誉研究員)という。
研究者が活用したほか、多くの来場者が天体を観測した。46~91年にかけては、望遠鏡を通して投影した太陽の黒点の様子を描く「スケッチ観測」が9000枚行われた。
2005年の引退後は、国立科学博物館の別の施設で保管されていたが、9年ぶりに一般公開することになった。