大坂ビル放火殺人、「拡大自殺」スマホで検索
26人が犠牲に、大阪府警、死亡した谷本容疑者を書類送検
大阪市北区で26人が犠牲になった昨年12月のクリニック放火殺人事件で、患者だった無職谷本盛雄容疑者(61)=死亡=が、他人を巻き添えにする「拡大自殺」についてスマートフォンで検索していたことが16日、大阪府警天満署捜査本部への取材で分かった。府警は、同容疑者が孤独や生活苦から自暴自棄になり、自殺願望を抱いた末に多くの患者らを巻き込んだとみている。
府警は同日、殺人と現住建造物等放火などの疑いで、谷本容疑者を容疑者死亡のまま書類送検し、一連の捜査を終結。今後、不起訴となる。昨年12月の事件発生から17日で3カ月となる。
送検容疑は昨年12月17日午前10時15分ごろ、ビル4階の「西梅田こころとからだのクリニック」の出入り口付近にガソリンをまいて火を付け、西沢弘太郎院長(49)や患者ら男女26人を急性一酸化炭素中毒で殺害するなどした疑い。
府警によると、自宅で見つかった診療時間などに関するメモから、谷本容疑者は昨年2月ごろ計画し始めたとみられる。
同5月にスマホを購入した2日後から自殺関連のファイルをダウンロードしたが、同10月に「拡大自殺」について検索して以降は自殺に関する検索はなくなり、犯行準備に思考が移ったとみている。
スマホには今年2月22日を「実行が理想の日」と記していた。