各自治体、ウクライナ避難民受け入れへ準備着々


住まい確保や通訳など、ロシアとの交流事業取りやめも

各自治体、ウクライナ避難民受け入れへ準備着々

ウクライナのコルスンスキー駐日大使(右)との面会に臨む神奈川県の黒岩祐治知事10日、東京都内(神奈川県提供)

 ロシアの軍事侵攻によるウクライナからの避難民について、政府が受け入れ方針を表明したことを受け、各自治体では支援準備が進んでいる。当面の最大の課題である住まいの確保に加え、生活物資の提供や通訳者の募集など取り組みはさまざま。一方、ロシアとは交流事業取りやめの動きも出ており、国際交流に暗い影を落としている。

 鹿児島県には既にウクライナから3人が避難している。避難の理由や年代、性別などは本人の意向で非公表だが、うち少なくとも1人はウクライナ人。県には事前に関係者から相談があり、県の担当者は「住まいの相談や生活支援などに対応している」と説明する。

 東京都の小池百合子知事は11日、国からの要請に備え、避難民受け入れのため都営住宅を100戸確保したと発表した。今後、最大700戸まで増やし、衣類なども提供する。都内在住ウクライナ人は500人余りで、小池氏は「情勢は刻々と変化している。タイミングを逸することなく機動的に対処する」と語る。

 神奈川県の黒岩祐治知事は10日、東京都港区のウクライナ大使館でコルスンスキー駐日大使と面会し、避難民の受け入れ準備を始めていると伝えた。同日開設した相談窓口には、県内に住むウクライナ人から「親や兄弟を呼ぶにはどうしたらいいか」など、20件ほどの声が寄せられている。

 大阪府は生活、住居、教育、仕事の4本柱による支援パッケージをまとめた。9日からは、避難民の生活を支えるため、ロシア語やウクライナ語が話せる「ボランティア通訳」の募集を開始。11日昼までに50人が申し込んだ。

 群馬県は県内市町村と連携し、温泉地の旅館などを当面の住居として提供し、避難が長期化した場合は県営住宅の活用を検討。食品や日用品などの物資は県内企業から寄付を募り、就学・就労支援も視野に入れる。

 軍事侵攻を続けるロシアとは、自治体間の関係もぎくしゃくしている。広島市は、ボルゴグラード市との姉妹都市提携50周年を記念する事業の中止を決めた。広島市国際化推進課は「ボルゴグラードは第2次世界大戦で壊滅的な被害を受けたという共通点があり、平和に対する思いも強い。大変残念だ」としている。東京都も姉妹友好都市、モスクワ市などとの交流事業を停止する。

 サンクトペテルブルク市などとの市民交流に力を入れてきた山形県酒田市の担当者は「市民感情を考えるとこれまでと同じような交流はできないだろう」と指摘。「今は情勢を見守ることしかできない」と語る。