開幕で楽天、不安を吹き払う3連勝
踏ん張った投手陣、先発の3人則本・塩見・辛島
楽天が開幕3連勝でシーズンを滑り出した。昨季24勝無敗で日本一の原動力となった田中将が米大リーグのヤンキースに移籍し、不安視された投手陣。しかし、この西武との3連戦では、いずれも先発投手の踏ん張りが光った。
開幕戦の先発は昨季新人王の則本。味方の援護は序盤の2点しかなかったが、1失点で粘ってプロ初完投勝利を挙げた。八回1死一、二塁のピンチでは、自ら完投を志願。「田中さんならあそこで代わることはあり得ない」。憧れの存在に少しでも近づきたいという決意の表れだった。
2戦目は昨季左肩の故障で1軍登板のなかった塩見。同じ直球でも球速を変えるなど、緩急で打者のタイミングを崩して631日ぶりの白星を手にした。投げられなかった去年は「心のどこかでチームが負けろと思ったこともあった」。田中将とは同い年。悔しさをぶつけた好投だった。
3戦目は辛島。昨季は左肘を痛めて前半戦を棒に振った左腕は、六回途中1失点で役割を果たした。「連勝を止めたくなかった。プレッシャーはあったけど、勝ててよかった」。制球は悪かったが、伸びのある速球に成長の跡を見せた。
星野監督は「(3連勝は)考えられない。でも、みんな一生懸命、必死にやってくれた」とたたえた。1日の本拠地開幕戦は昨季日本シリーズ最高殊勲選手の美馬、2日はドラフト1位の松井裕が先発予定。しばらくは楽天から目が離せそうにない。