大物ストライカー、人柄も若手の手本


C大阪、ディエゴ・フォルラン全開の春へ

大物ストライカー、人柄も若手の手本

初ゴールを決めたACLサッカーのブリーラム戦で、後半攻め込むC大阪のフォルラン。J1リーグでも初得点して本領を発揮し始めた=3月18日、大阪・ヤンマースタジアム長居

 J1のC大阪に今季加入した大物ストライカー、ウルグアイ代表のディエゴ・フォルラン(34)が日本のサッカーになじんできた。18日のアジア・チャンピオンズリーグ戦で来日初ゴールを決め、23日の鹿島戦ではJ1リーグ4戦目で初得点。サポーターの声援が一戦ごとに高まり、春到来とともに期待が増している。

 2010年のワールドカップ(W杯)南アフリカ大会で最優秀選手。ゴール量産で得点王に輝き、母国4強入りの原動力となった。フォルランは当時を「チーム全体が良く、その中で自分を生かしてもらった」と振り返る。そんな人間性を若い選手の手本に。それが獲得を実現させたC大阪の狙いでもあった。

 日本についてよく勉強している。ウルグアイ代表が強い理由を聞かれて「日本の人口1億2600万に対して、わが国は300万。なぜかは分からない」と答えた。慣れるまで時間を要したJリーグについては「どれも難しい試合になった。レベルは高い」と謙虚。新しい環境に真正面から向き合い、克服しつつある。

 幼少時から代表選手の父親にチームに献身する大切さを教わった。姉のアレハンドラさんはフォルランが12歳の時に交通事故に遭って車いすの生活に。治療費を負担するため、程なくプロ入りした。「姉が闘っている姿を見て、家族は力をもらえる」と話す。

 6月のW杯ブラジル大会を控え、ギアは上がる。ともに攻撃の前線に立つのは日本代表期待のFW柿谷。フォルランは「若いチームのために、彼となら一緒にやっていける」と信頼を口にする。