「ボーカロイド」、大学や高校で導入の動き
「創造性養える」と評価
音符と歌詞を入力するだけで歌が作れる「ボーカロイド」。仮想アイドル「初音ミク」などの人気キャラクターも誕生、インターネットを中心に普及し、日本を代表するポップカルチャーに成長した。その「ボカロ」を音楽の授業に取り入れたり、曲の制作者を養成するコースを大学が設けたりと、教育現場で導入の動きが出ている。
徳島市の私立四国大は2015年度から、2年制の音楽科にボカロ曲制作コースを新設する。「最初はもっと幼稚なものと思っていた」と明かすのは増田篤志准教授(ポピュラー音楽)。曲はボーカロイドソフトを使った歌声部分と音楽ソフトで作る伴奏部分から成るが、「歌声はビブラートや息継ぎなど歌わせ方が調整できて奥が深く、最近のボカロ曲はクオリティーも芸術性も高い。作曲の基礎を学んだ上で、もっと本格的に教育していくべきだ」と話す。入試の実技試験では生演奏の代わりに自作のボカロ曲の提出も認めるという。
ボカロ曲のCDも出している同市在住の新城Pさんは、ソフトメーカーから新製品の試作審査を依頼される達人だが、「実は音符もコードもよく分からない」と言う。「素人でも気軽に楽しめるのが魅力。ネットで多くの人に聞いてもらえて、投稿した動画サイトに寄せられるコメントで改良点も教わった。歌声を聞けば誰が作ったか分かるほど個性が出る」と説明する。