昭和天皇の洋服デザイナー、奥山孝夫さんが死去


享年88歳、威厳と気品を漂わせる洋服づくりに努める

昭和天皇の洋服デザイナー、奥山孝夫さんが死去

奥山孝夫さん

 昭和天皇の洋服のデザイナーを務めた元三越日本橋本店紳士服チーフデザイナーの奥山孝夫(おくやま・たかお)さんが1月29日、病気のため死去した。88歳だった。告別式は近親者で済ませた。喪主は妻の俊子さん。

 東京都出身。昭和28年三越縫製に入社。同32年三越に移り、宮家の洋服および服飾部門を担当。同50年から昭和天皇のスーツなど洋服のデザイナーを拝命し崩御まで14年間担当した。この間、昭和天皇の訪米(同50年)などがあり、新時代にふさわしい昭和天皇の洋服デザインを模索し、派手さを抑えた中にも威厳と気品を漂わせる洋服づくりに努めた。

 昭和天皇の思い出や洋服づくりの回顧を世界日報に連載、『陛下のお仮縫い――昭和天皇・洋服デザイナーの回想』(世界日報社刊)として一冊にまとめられている。