除雪担い手、コロナ禍で相次ぐ参加断念
ボランティア団体「若者求む」、地域共助芽生え始めるも
新型コロナウイルス感染が急速に拡大する中、まん延防止等重点措置が新たに適用された豪雪地で、除雪ボランティアの参加や受け入れを断念するケースが相次いでいる。ボランティア参加者の高齢化も心配され、「若者求む」の声が上がる。
札幌市社会福祉協議会の担当者は「過去最多のペースで除雪の申し込みがある」と語る。今シーズンは例年にない大雪に見舞われ、コロナ禍が追い打ちをかけた。新たなボランティア参加者はなかなか見つからない。担当者は「毎年の参加者が1歳ずつ年を重ねている状況。今年は特に人手不足を実感している」と打ち明ける。
東日本大震災を機に結成された除雪ボランティア団体「札幌スノーバスターズ」は、物置や灯油タンクまでの通路など、依頼主の要望に応じてきめ細かな除雪をしている。代表の石川法男さん(72)によると、今年は除雪ニーズが多いが、勤め先で感染者が出たため参加を見送ったメンバーも多く、担い手不足は深刻だという。石川さんは「人の役に立ちたいという若者がいたらウエルカムだ」と呼び掛けている。
県外から学生や企業、団体のボランティアを長年受け入れてきた山形県尾花沢市。コロナ前は300人余りが駆け付け、お年寄り宅で除雪し、地域住民と交流する光景が見られたが、2シーズン続けて受け入れを断念した。市社会福祉協議会の担当者は「雪が昨年より少ないのが幸いだが、2月に入ればどうなるか」と頭を悩ませる。
「地域共助も芽生え始めている」と明かすのは、地域の克雪体制づくりアドバイザーを務める二藤部久三さん(66)。「県外ボランティアに刺激されて、自分たちが動かないのはおかしいとボランティア活動を始めた地域も出ている」と話す。県外ボランティアとはオンライン交流会を催したり、手紙をやりとりしたりして絆を深める。二藤部さんは「心と心の交流を続けていれば、コロナ収束後にすぐ活動を再開できる。大事なのはコロナ禍でもできることをやることだ」と訴えた。