小売り各社の駆け込みセールが本格化
消費税率引き上げまで1週間、食品や日用品を買いだめ
4月1日の消費税率引き上げまで1週間。百貨店やスーパーなどの小売り各社は、増税前の駆け込み需要を狙ったセールを本格化させている。影響の大きい高額品に加え、食品や日用品の買いだめを促そうと懸命だ。
松坂屋上野店(東京都台東区)では3月19日から31日まで、「食品大特価市」と題して、油やしょうゆなど保存が利く食品のまとめ買いセールを実施。今月の売上高は前年の2割増で推移している。
多くの客でにぎわう上野店のセール会場では、飲料や乾麺などの段ボールが山積みとなり、店員からは「増税前にいかがですか」といった声が響く。東京都内の主婦(72)は「日持ちがするものはやっぱり先に買っておきたい」と話す。
西武池袋本店(東京都豊島区)では3月に入ってから23日までの高級腕時計の売り上げが1・9倍、紳士スーツが1・4倍と好調。運営会社のそごう・西武は、池袋本店を含む20店舗で、月内は閉店時間を30分から1時間遅らせて営業し、需要を最大限取り込みたい考えだ。
ダイエーは全国のグループ店舗で増税前の最終セールを開いている。21~23日の売り上げは1・2倍だった。特に化粧品や消耗品は1・9倍、家電や日用雑貨は1・7倍と伸びている。
ディスカウント店のドン・キホーテも一部店舗で輸入ブランド品のセールを始めた。同社は「高額商品は増税の影響が大きいので、その前にお得に買い物してほしい」と期待している。