秋田の風俗を紹介「特別展没後50年 勝平得之」
版画約130点が集結、横手市の秋田県立近代美術館で
ナマハゲやかまくらなど、ふるさと秋田の自然と人々の姿を克明に表現し、海外にも日本の風俗の美しさを広めた秋田市出身の創作木版画家・勝平(かつひら)得之(とくし)の没後50年に当たり、版画約130点を一堂に集めた「特別展 没後50年 勝平得之」が秋田県立近代美術館(横手市)で開かれている(来年2月6日まで)。
27歳の時、国主催の帝展(帝国美術院展覧会)で初入選した「雪国の市場」や、「秋田十二景」「千秋公園八景」「花売風俗十二景」などシリーズ作品も。「農民風俗十二ヵ月(堆肥)」では談笑する男女が温かみのあるタッチで描かれる。
ドイツ人の世界的建築家ブルーノ・タウトは自著『日本の家屋と生活』の英文版の巻頭を得之の手刷り版画「秋田の冬市」で飾り、海外の美術館の作品と共に得之の存在を世界に広めた。
会場には作品に登場する踏み俵や八橋人形など資料24点(秋田県立博物館蔵)と印影集、本の挿絵も紹介されている。(年末と1月中旬は休館あり)。