「怪鳥」恐竜化石、米中西部で3体分を発見


6600万年前の新種、「アンズー・ワイリエイ」と名付ける

「怪鳥」恐竜化石、米中西部で3体分を発見

米中西部の約6600万年前の地層から見つかった新種恐竜化石の複製骨格。学名は古代メソポタミア神話の怪鳥「アンズー」から名付けられた(米カーネギー自然史博物館提供)

 米中西部の約6600万年前(白亜紀末期)の地層から、ダチョウを一回り大きくしたサイズの恐竜の化石が見つかり、新属新種に分類したと、米カーネギー自然史博物館などの研究チームが20日、米科学誌プロスワンに発表した 。

 ダチョウのような飛べない鳥に似た姿だったとみられ、学名は古代メソポタミア神話の怪鳥「アンズー」にちなんで「アンズー・ワイリエイ」と名付けられた 。

 河川がしばしば氾濫する地帯に生息し、植物や小さな動物、卵などを食べる雑食だったと考えられる。ティラノサウルスなどの大型肉食恐竜がいた時代で、一部の骨には襲われた際に傷ついた可能性がある痕が見つかった 。

 化石は米ノースダコタ、サウスダコタ両州で計3体分見つかった。体の長さは3・5メートル、体重は200~300キロあったと推定される 。

 頭の上部が薄い円盤状になっており、異性などにアピールする飾りだった可能性がある。前脚には大きな鋭い爪があり、尾が長い。骨格化石しか見つかっていないが、近縁種には羽毛があることから、羽毛が生えていたとみられる 。

 これまで中国やモンゴルで化石が見つかっている「オビラプトル」類に近いという。