坂本花織が女子SP首位、不調も信念曲げず


攻めの気持ちで連続3回転、「フリーもパーフェクトに」

坂本花織が女子SP首位、不調も信念曲げず

女子ショートプログラムで演技する坂本花織=23日、さいたまスーパーアリーナ

 不安げな表情を浮かべた前日から一転、笑顔がはじけた。坂本は非公認ながら女子SPの自己ベストを1・45点上回り、79点台に乗せた。3枠の北京五輪代表を狙う有力選手が好演をそろえた中でも、優勝候補の筆頭が頭一つ抜け出した。

 11月のNHK杯後に発熱し、出場権を得た今月のグランプリ(GP)ファイナルは新型コロナウイルスの影響で中止に。心身ともにダメージを受け、不調を自覚しつつも信念は曲げなかった。

 基礎点が1・1倍になる演技後半のフリップ-トーループの連続3回転は「譲れないというか、欠かせない。攻めの気持ちでいくだけ」。坂本らしい迫力のあるジャンプは、出来栄え点(GOE)で2・20点もの加点を引き出した。他もミスなく、表現力や芸術性を評価する5項目の演技構成点も申し分なかった。

 17歳だった4年前は「運が良ければ2枠に入りたいというくらいだった」と言うように、挑戦者の勢いで平昌五輪代表の座を勝ち取った。日本女子をリードする存在となった今は「優勝して一発で五輪内定を決めたい」と自覚が備わる。「フリーも集中を切らさず、パーフェクトに」。そう話す姿が頼もしかった。