新種草食恐竜の化石、オールのように平たい尾


南米チリの白亜紀後期の地層から発見、「武器」にしたか

新種草食恐竜の化石、オールのように平たい尾

南米チリの白亜紀後期の地層から発見された化石に基づく新種草食恐竜「ステゴウロス・エレンガッセン」の想像図。尾の先半分がボートのオールのように平たいのが特徴(チリ大などの研究チーム、マウリチオ・アルバレス氏提供)

 南米チリの南部にある、白亜紀後期(7490万~7170万年前)の地層から草食恐竜の化石が見つかり、新属新種に分類したと、チリ大などの研究チームが1日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。全長約2メートルで四足歩行していたと推定され、尾の先半分の骨がボートのオールのように平たく固まっているのが特徴。敵に襲われた際などに振り回し、「武器」にしていたとみられるという。

 この恐竜の学名はギリシャ語の屋根と尾、発見地の神話の獣から「ステゴウロス・エレンガッセン」と名付けられた。研究チームは尾の平たい部分について、アステカ文明などで使われた特殊なこん棒を思わせると指摘。このこん棒は、短いオールのような平たい木の棒の周囲に黒曜石の鋭い刃を取り付けてある。

 草食恐竜では、尾の先が大きな丸い塊になっていたり、とげ状の突起があったりする種が知られており、さまざまな「武器」があったと考えられる。