17歳の村岡桃佳選手、父と一緒に自分の滑り


ソチ冬季大会最終日、アルペンスキー大回転で5位

17歳の村岡桃佳選手、父と一緒に自分の滑り

アルペンスキー女子大回転座位、村岡桃佳の1回目の滑走=16日、ロシア・ソチ(時事)

 本当は怖がり。この日も、スタートゲートに入る前は震えていた。それでも、村岡は「悔いのないようにやろう」。緊張をはね飛ばす強気の滑りで、17歳が女子大回転で5位に入った。

 1回目を終えて6位につけたが、抑えた滑りに悔いが残った。「2回目は転ぶくらいの勢いでいく」。前半の急斜面で、荒れた雪面に苦戦しながらも耐え、後半は果敢に加速。ヘルメットが雪面に付くほど深く体を倒し、切れのあるターンで攻めた。

 前日、父の秀樹さんからは「好きなように滑っておいで」と声を掛けられた。スキーを始めて、そばにはいつも父がいた。幼少時の病気で、車いす生活になって以来、父とさまざまな車いすスポーツの体験会に出掛けた。中学2年生の時にチェアスキーに出会い、毎週のように、ゲレンデに通ってつかんだ初の舞台。村岡は「私は父と一緒に頑張ってきた」と話す。

 スタンドから見守った父は「自分の滑りをしたと思う。本当によかった」。たくましく成長した姿に、涙が止まらなかった。(ソチ時事)