小澤征爾さんが音楽塾で指揮、聴衆を魅了


病気休養で5年ぶり、テッド・テイラーさんと2人体制

小澤征爾さんが音楽塾で指揮、聴衆を魅了

「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト」の演奏会で指揮する小澤征爾さん(右)=16日午後、神奈川県横須賀市(大窪道治さん撮影)

 若い音楽家がベテランの指導を受ける「小澤征爾音楽塾オペラ・プロジェクト」の演奏会が16日、神奈川県横須賀市で開催され、小澤さんが指揮台に立った。小澤さんは、食道がんの手術などで静養していたため、同プロジェクトでの指揮は5年ぶり。

 演目は2000年の第1回と同じモーツァルトの「フィガロの結婚」。オーケストラを舞台下でなく上に配置、後方で歌手が演じることで一体感を強め、大掛かりなセットによらない「凝縮された表現」に。指揮は小澤さんの体調に配慮してテッド・テイラーさんと交互に行う2人体制を試みた。

 全4幕、休憩を入れて約4時間に及ぶ長丁場。小澤さんは、用意された椅子に時折腰掛けながら、優雅な調べから力みなぎる演奏まで、全身を使った多彩な指揮で聴衆を魅了し、万雷の拍手に包まれた。