明生が貴景勝に土、勝機逃さず攻め貫く


回り込んで形勢逆転、好調の大関を破り星を五分に戻す

明生が貴景勝に土、勝機逃さず攻め貫く

明生(奥)は押し出しで貴景勝を破る=23日、福岡国際センター

 明生は勝機を逃さなかった。序盤は貴景勝に距離を取られ、相手のペースだったが、土俵際でうまく右に回り込んだところで形勢逆転。ここからの攻めが素早い。休むことなく前傾姿勢になって突進。最後は体を預けるようにして押し出した。

 大関に土をつけ、「我慢して頭を上げないようにと思いながら土俵に上がった。必死だった」と納得顔。土俵下の高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「明生が引かずに持っていった」と攻めの姿勢、取り口を評価した。

 関脇2場所目。先場所は千秋楽にようやく勝ち越して地位を守ったものの、今場所も連敗スタートと苦しんでいた。後半戦に上位戦が組まれる番付のため、序盤の取りこぼしが響く中、好調の大関を破って星を五分に戻した。

 2年ぶりの九州場所。鹿児島出身の明生への拍手も大きく、励みになっているという。常々、口にする目標は「さらに上の地位」。だから、「今のままでは足りないものが多いと思う。それを探しながら、残りを集中して土俵に上がりたい」。強い向上心を持ちながら、終盤戦も全力で臨む。