オリックス山本に沢村賞、先発へのこだわり結実


肘念頭のフォーム、体調管理など模索、「この賞を自信に」

オリックス山本に沢村賞、先発へのこだわり結実

沢村賞に選ばれ、笑顔で記念撮影に応じるオリックスの山本由伸=22日、東京都文京区

 オリックスの山本は今季開幕前に「取れるタイトルは全部取りたい」と公言していた。最多勝などの投手4冠に続いて、先発投手最高の栄誉「沢村賞」にも輝き、「とにかく一番素晴らしい賞。心からうれしく思う」と言葉に実感を込めた。

 突出した成績で満場一致の受賞。球の質、制球、駆け引き。過去の偉大な投手と比べても遜色のないレベルだが、「並んだとはいえない」と謙虚に語った。

 プロ2年目の2018年はチーム事情で救援に回って頭角を現したが、先発へのこだわりは強かった。球団に再転向を直訴。翌年は主力が他球団に移籍したタイミングでもあり、先発に復帰できた。本人は「運が良かった」と振り返るものの、強い意志が栄誉への道筋をつけた。

 ルーキーイヤーに肘を痛めた経験から、負担がかからないフォームを模索。食生活も年々見直し、けがをしない体づくりを突き詰めた。その積み重ねが今季につながった。「狙うのは難しいが、いつかは取れればと思っていた。この賞を自信に変え、毎試合圧倒できる投球をしたい」。新たな勲章は、23歳の進化を加速させる。