主要学術出版社、気候変動論文を無料公開


今年のノーベル物理学賞に決まった真鍋さんの研究論文も

主要学術出版社、気候変動論文を無料公開

ノーベル物理学賞の受賞が決まり、記者会見に臨む真鍋淑郎さん=10月、米ニュージャージー州(時事)

 英グラスゴーで開かれている国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に合わせ、世界の主要な学術出版社15社は11日までに、気候変動に関する重要な学術論文を無料で一般公開すると発表した。今年のノーベル物理学賞に決まった米プリンストン大の真鍋淑郎上席研究員(90)の研究論文も対象に含まれる。

 論文の無料公開は「世界中の一般市民を、公正で信頼できる情報に直接結び付ける」のが狙い。編集者が重要論文を厳選した上で、分かりやすく研究概要をまとめたという。

 真鍋さんが当時の同僚の故リチャード・ウェザラルド氏と共著した1967年の論文も公開された。この論文はコンピューターモデルを使って、二酸化炭素(CO2)が地球温暖化の原因であることを初めて示したことで知られる。

 参加した出版社は英ケンブリッジ大学出版局や英・独シュプリンガー・ネイチャー、米気象学会(AMS)など。無料公開サイトの開設を主導した英学術情報会社クドスのチャーリー・ラップル共同創業者は「気候変動では、科学者の成果をより多くの人々に理解してもらうことがとても有意義だ」と指摘した。

 サイトのURLはhttps://www.growkudos.com/showcase/collections/climate-change(グラスゴー時事)