体操の橋本大輝、「真の王者」には届かず
勝つ難しさを味わう、「また頑張る理由が見つかった」
橋本が望んでいた「真のチャンピオン」には届かなかった。今夏に五輪王者となり、3カ月後に行われた大会でも頂点を目指したが、わずか0・017点差で2位。「まだ自分が弱いと感じた」。世界で勝つことの難しさを改めて味わう結果になった。
2種目目のあん馬で落下。そこからスコアを積み重ねていったが、五輪で見せたような最後の鉄棒で逆転する「黄金パターン」にはつなげられなかった。
中国の張博恒はG難度のカッシーナを成功させるなど、五輪の時のライバルと違って鉄棒も得意としていた。最後の演技を前に橋本は「完璧じゃないと勝てない」と感じていたというが、着地でも大きく前へ動いた。詰めの甘さが勝敗に直結した。
正面からぶつかり合っての力負け。悔しさは残るが、3年後のパリ五輪を見据え、立ち止まってはいられない。「また頑張る理由が見つかった。いろいろなライバルがいて、さらに強くなれる」。かつての内村航平のように世界で勝っていくため、この経験を糧にしていかなければならない。