参院選買収事件、河井克行元法相の実刑が確定
控訴を取り下げ、懲役3年、追徴金130万円の判決が確定
2019年参院選をめぐる大型買収事件で公選法違反(買収、事前運動)罪に問われ、一審で実刑判決を受けた元法相で元衆院議員の河井克行被告(58)は21日、控訴を取り下げた。弁護人が明らかにした。懲役3年、追徴金130万円とした東京地裁判決が確定した。
弁護人によると、控訴審で実刑判決を覆す見通しがなく、「(裁判を続ければ)社会復帰が遅れるとの思いがあった」という。東京拘置所に収容されている同被告は弁護人を通じ、「できるだけ速やかに刑に服する決断をした。多くの方々にご迷惑、ご心配を掛けたことを深くおわびする」とのコメントを発表した。
閣僚経験者の実刑判決が確定するのは、受託収賄罪などに問われ、10年に確定した元北海道開発庁長官の鈴木宗男参院議員以来とみられる。
刑確定に伴い、河井被告は公民権が停止され、刑期中と、その後5年間は公職への立候補ができない。
河井被告は当初、全面無罪を主張したが、被告人質問で一転して起訴内容の大半を認めて謝罪。直後に衆院議員も辞職し、弁護側は執行猶予付き判決を求めた。