若田光一さんISS船長に、軌道上で引き継ぎ式
日本人飛行士の就任は初めて、帰還まで2カ月
国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在中の若田光一さん(50)が9日、ISSの船長に就任した。日本人飛行士のISS船長就任は初めて。帰還予定の5月まで乗組員6人のリーダーとして、ISSの運用や実験の実施、緊急時の安全確保などの責務を負う。
9日午後6時(日本時間)ごろ、ISSの日本実験棟「きぼう」に若田さんら滞在中の飛行士6人が集まり、これまで船長を務めてきたロシア人飛行士のオレッグ・コトフさん(48)から指揮権を引き継ぐセレモニーが行われた。
コトフさんから「友人である若田さんに引き継ぐことがうれしい。同僚、友人としてすばらしい」と言葉を掛けられると、若田さんは間もなく地上に帰るコトフさんら3人の乗組員一人一人に感謝。「謙虚な気持ちで引き受けたい。これからもこのステーションを楽しい場所にしたい」と述べ、コトフさんと肩を抱き合った。
筑波宇宙センターの管制室からは「日本人初の船長就任おめでとう。われわれも日本から全力でサポートします」と日本語でエール。若田さんは「地球最大規模の国際協力プロジェクトで、船長という大役を任されたことは、日本人として誇りに思う」と答えた。
4回目の飛行となる若田さんは昨年11月、カザフスタン・バイコヌール宇宙基地から打ち上げられたソユーズ宇宙船でISSに到着し、2度目の長期滞在を始めた。これまで、日本実験棟「きぼう」からの小型衛星放出や、地球に最接近したアイソン彗星(すいせい)の撮影、生物学や医学、材料工学など幅広い分野での実験を行っている。