スキー距離立位の太田渉子が旗手、笑顔で入場


旗の重みに背筋伸び、パラリンピック開会式で入場

スキー距離立位の太田渉子が旗手、笑顔で入場

パラリンピック開会式で入場する日本選手団=7日、ロシア・ソチ(時事)

 旗の重みを感じながら、歓声の中で日の丸を大きく振った。7日行われたパラリンピックの開会式で、スキー距離女子立位の太田が、初めての旗手を笑顔で務めた。

 44番目に登場した日本選手団の先頭で入場。「(会場の)スクリーンに映る自分の姿を見て、すがすがしさと背筋が伸びる思いがした」。左の全手指欠損の障害を持って生まれ、スキーは片手だけを使う。いつもはストックを持つ右手に旗を握り、「これが自分のトレードマーク」と言う小さな左手をそっと添えた。

 3度目のパラリンピック。日本選手団で最年少だった過去2度は、競技に備えて開会式を欠席。今回は旗手を打診され、やってみたいとすぐに答えた。「年下の選手ができて、責任感が出てきた。自分が引っ張る気持ちでいる」。トリノ大会で銅、バンクーバーは銀メダル。一つずつ階段を上がり、24歳には「次こそは」の思いがにじむ。

 晴れ姿を見せようと、初めて自分の給料で父を招待している。「全力で諦めずに走り抜けたい」と気合を入れた。(ソチ時事)