17歳の村岡桃佳選手、父に感謝の夢舞台へ
アルペンスキー女子座位に出場、メダルが期待
アルペンスキー代表最年少の村岡桃佳(埼玉・正智深谷高)は、女子座位で急成長してきた高校2年生。憧れの舞台を目前にし、「緊張を力に変えて、自分の滑りをしたい」と意気込んでいる。
150センチ、37キロの体を乗せたチェアスキーで、切れのあるターンを繰り出す。果敢な攻めが持ち味だ。今年1月のジャパンパラでは、得意の大回転で第一人者の大日方邦子(電通PR)を破って初優勝。若い選手が少ないチェアスキーで頭角を現した。
桃の節句に生まれて「桃佳」と名付けられた。元気に走り回っていた4歳のある日、横断性脊髄炎を患い、両足に力が入らなくなった。車いすの生活になっても、体を動かすことは大好きだった。小学校の頃に車いすで陸上競技を始め、パラリンピックを夢見るようになった。
チェアスキーに出会ったのは、父親の秀樹さん(44)とスキー場に出掛けた中学2年生のとき。1本のスキーで滑るスピードとスリルに、「もっともっと、という気持ちになって、楽しくて仕方がない」と夢中になった。
父と毎週のようにスキー場に通い、競技にのめり込んだ。秀樹さんは「危なくないのかな、といつもハラハラしている」。不安を感じながら見守る父を尻目に、驚くようなスピードで上達した。
「きょうだいもいるし、病院に行くお金もかかる。それでも競技をやらせてくれた父に感謝している」。誕生日をソチで迎えた17歳。父とともにたどり着いた夢の舞台で、表彰台を狙う。