特殊詐欺撲滅へ、大阪府警が「青バイ」を投入


機動力を発揮し注意喚起など警戒活動徹底、容疑者逮捕も

特殊詐欺撲滅へ、大阪府警が「青バイ」を投入

特殊詐欺の警戒に当たる大阪府警の「スカイブルー隊」=9日、大阪市城東区

 大阪府警地域部に所属するバイク部隊「スカイブルー隊」(通称=青バイ隊)が、特殊詐欺対策に一役買っている。全国の都道府県警で唯一、交通部所属の白バイ隊とは別に1997年に創設。当初はひったくりなど街頭犯罪の取り締まり強化が目的だったが、機動力を生かした新たな任務に当たっている。

 府警によると、府内のひったくりの認知件数は2000年の1万973件をピークに年々減少。今年1~7月は55件で、年間100件を下回るペースで推移している。一方、同期間の特殊詐欺の認知件数は約800件で、被害額は約14億1000万円と、前年同期比で約1億8000万円増加しているという。

 府警は9月から、無人の現金自動預払機(ATM)を利用する高齢者に声を掛けて注意喚起するなどの特別警戒活動にスカイブルー隊を投入。大阪市内で行われた出発式で、利岡孝一朗地域部参事官は「俊敏性を生かして警戒を徹底し、詐欺被害撲滅へとつなげたい」と訓示した。

 8日には、資産状況などを聞き出そうとする不審電話が3件相次いだ地域に隊員が急行。職務質問した20代の男が、大阪市内の70代女性のキャッシュカードを所持していたため詐欺容疑で逮捕しており、引き続き取り締まりを強化する。