喜多川歌麿の傑作「深川の雪」が見つかる
「雪月花」3部作の一つ、岡田美術館66年ぶり公開へ
江戸後期の浮世絵師、喜多川歌麿の肉筆画の傑作とされる「雪月花」3部作の一つで、1948年に公開されてから所在不明だった「深川の雪」が見つかったと、岡田美術館(神奈川県箱根町)が2日、発表した。4月4日から6月30日まで同館で特別展示される。
縦199センチ、横341センチで、27人の人物が生き生きと描かれている。歌麿研究者の浅野秀剛大和文華館館長は「歌麿がここまで大きな絵を描けたことに驚いた。細密であると同時に、緩みない充実を感じる。構想やバランス、色彩の配置も見事」としている。歌麿の晩年期の研究に役立つ貴重な資料と言えそうだ。
この絵は明治期、美術商の手でパリに渡り、39年に日本人収集家が持ち帰った。48年、東京での展覧会後、行方が分からなかったが、2012年、美術商が岡田美術館関係者に持ち込み、鑑定・修復が行われた。3部作の他の2点は米国の美術館が所蔵している。