新たな面白さ、東京五輪で実施が増えた混合種目
多くの女性アスリートが躍進した大会に、日程など課題も
8日に閉幕した東京五輪では、国際オリンピック委員会(IOC)が掲げる「ジェンダー平等」が、競技に色濃く反映された。女性の参加比率は過去最高の48・8%。男女がともにプレーする混合種目の増加や、実施種目のジェンダーバランスの見直しが行われ、多くの女性アスリートが躍進した大会として新たな歴史を刻んだ。
混合種目はリオデジャネイロ五輪の9から倍増の18。卓球のダブルスでは水谷隼と伊藤美誠が金メダルを獲得した。バドミントンのダブルスで東野有紗と組み、銅メダルの渡辺勇大は「日本ではメジャー(種目)ではないけど、価値が認められればうれしいし、面白さを広げていきたい」。卓球もバドミントンも、男子の力強い攻撃を女子がしのぎ、反対に女子がポイントを上げる場面などに見どころがあった。
陸上と競泳の混合リレーでは、男女の順番は自由。各チームの戦略で、男子と女子が競い合う展開は、新しいスポーツの見方をもたらした。競泳男子平泳ぎのアダム・ピーティ(英国)が「可能性を秘めている種目」と話すなど、選手にもおおむね好評だった。
一方で、初の混合種目に戸惑いの声も上がった。柔道の団体は個人戦が終了した翌日。多くの選手が調整の難しさを口にした。男女平等に配慮して3人ずつの偶数で戦うルールが、分かりづらいとの指摘も。決勝ではフランスが日本を破り、前評判を覆した。暑さが厳しい条件下で実施されたテニスやトライアスロンでは、複数種目に出場する選手に負担がかかっていた。選手に配慮した実施方法や日程は、次回パリ大会の課題となる。