卓球男子日本、韓国を3-1で破り銅メダル獲得


張本智和、新エースの存在証明、未来につながるメダルに

卓球男子日本、韓国を3-1で破り銅メダル獲得

卓球男子団体3位決定戦、第2試合のシングルスに勝利し、喜ぶ張本智和(手前)=6日、東京体育館

卓球男子日本、韓国を3-1で破り銅メダル獲得

卓球日本人五輪メダリスト(時事)

 男子団体で銅メダル。張本は誰よりも先に、試合を決めた水谷に駆け寄った。「最後は感謝の気持ちだけで走っていた」。五輪、世界選手権を通じて大きな大会で初のメダル。自分を支えてくれた第一人者と喜びを分かち合った。

 張本は韓国との第2試合で、張禹珍とのエース対決を制した。1ー1で迎えた第3ゲームはリードを許す苦しい展開。しかし、自分の良さを封じるサービスにも果敢にバックハンドレシーブを仕掛け、流れを変えた。最後は10-9からジュースに持ち込まれたが、冷静に勝ち切る。これが3位決定戦全体のポイントだった。

 2016年6月。東京体育館での国際大会のさなか、倉嶋監督に呼ばれた。建設中だった国立競技場を見ながら「4年後、あそこでの開会式に絶対に出るんだぞ」。12歳だった張本が、東京五輪を意識した瞬間だった。

 15歳で当時の日本勢最高となる世界ランキング3位になるなど、東京五輪へ突き進んだ。しかし、勝てば勝つほど研究され、結果が出なくなる。今大会も個人戦のシングルスは4回戦敗退。それでも団体戦で本来の姿を取り戻し、敗れた準決勝のドイツ戦で2勝、この日も貴重な1勝。「彼なら十分に日本を引っ張っていける」。水谷がたたえた。

 仙台市出身。「被災者だった一人として宮城のため東北のために戦いたい」。そんな思いを背負ってコートに立ち続け、「メダルを地元の皆さんに見せられると考えると本当にうれしい」。試合後に笑みがこぼれた。初の五輪で結果を出し、新エースを証明した18歳。「今まで以上に頑張って、目標は変わらずにやっていきたい」。3年後のパリでの頂点を見据えた。