熱海土石流発生から1ヵ月、犠牲者を悼む


川勝知事らが現場を訪れ黙とう、行方不明5人の捜索続く

熱海土石流発生から1ヵ月、犠牲者を悼む

土石流の現場で黙とうする川勝平太静岡県知事(中央右)と斉藤栄熱海市長(同左)ら=3日午前、静岡県熱海市伊豆山地区(代表撮影)

 静岡県熱海市の土石流災害は3日、発生から1カ月を迎えた。甚大な被害を受けた伊豆山地区では発生時刻に合わせて川勝平太知事と斉藤栄市長が黙とうをささげ、犠牲者を悼んだ。

 黙とう後、川勝知事は「避難した方々が不自由な生活を余儀なくされている。一日も早く穏やかな日常を取り戻すことができるように全力を尽くさなければならない」と述べた。斉藤市長は「胸が押しつぶされる思いだ。行方不明者の捜索に今後も力を尽くす」と話した。

 これまでに確認された死者は22人。依然として5人が行方不明で、警察や消防などが捜索活動を続けている。

 現場には土砂やがれきが残り、復旧の足かせとなっている。一部地域では立ち入り制限が続いており、県の専門チームが撤去に向けた調査を始めた。

 土石流は7月3日午前10時半ごろ発生。逢初川最上流部付近で盛り土などが崩落し、川沿いの建物が押し流された。自宅を失った住民ら約300人が避難所に指定されたホテルに身を寄せている。