走り幅跳びの橋岡優輝、追い込まれて本領発揮 


陸上界のサラブレッド、両親が立てなかった五輪の舞台に

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男子走り幅跳び、跳躍する橋岡優輝=27日、大阪・ヤンマースタジアム長居(時事)

 最初から2回続けてファウル。上位8人で争う4回目以降に残るには失敗が許されない状況でも、男子走り幅跳びの橋岡は冷静だった。「残れる自信はあった。大丈夫」。勢いよく跳んだ3回目は、一気にトップに躍り出る8メートル27。両手の拳を握り締め、4度目の優勝と五輪代表権をこの時点でほぼ手中にした。

 最終6回目は自己記録を4センチ更新し、日本記録に4センチと迫る8メートル36をマーク。22歳の若きエースらしい跳躍を後半は連発したが、「日本記録更新を狙っていたので、届かなかったのは悔しい。全体的にふがいない試合」と内容に納得感はない。「アップから調子が良かったが、久々に緊張してしまった」。反省の色と、志の高さをにじませた。

 父は棒高跳びで日本選手権優勝7度の利行さん、母は100メートル障害と三段跳びで日本選手権を制した直美さん。陸上界のサラブレッドは「両親が立てなかった舞台に立つことができる」と五輪に思いをはせる。いとこの大樹はサッカーの五輪代表に選ばれている。「2人そろってスタートラインに立つことができた」と喜んだ。

 五輪では、8位入賞した2年前の世界選手権を上回る大活躍を誓う。「最低(8メートル)50、目標はメダル」。揺るがぬ表情で強い決意を示した。