ベニグノ・アキノ前比大統領が死去、61歳
腎臓病と糖尿病のため、米軍再駐留に道を開き中国をけん制
フィリピンのベニグノ・アキノ前大統領が24日午前6時半(日本時間同7時半)、腎臓病と糖尿病のため死去した。姉が同日、発表した。61歳だった。アキノ氏はマルコス独裁政権を打倒した故コラソン・アキノ元大統領の長男で、2010~16年に大統領を務めた。
アキノ前大統領は、南部のミンダナオ島で40年以上続いた内紛の終結に尽力し、14年3月にイスラム武装勢力と包括和平に合意した。同4月には米国と新軍事協定に調印。1992年に撤退した米軍の再駐留に道を開き、南シナ海への進出を強める中国をけん制した。
14年6月に訪日した際は広島市の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花した。
ドゥテルテ大統領は24日、声明を出し、「アキノ前大統領のきょうだいや友人、支持者に謹んで弔意を申し上げる。(考えの)相違は脇へ置いて共に祈り、国民のために最善を尽くした指導者に敬意を表そう」と呼び掛けた。(マニラ時事)