天皇杯で大物食いなるか、JFL鈴鹿がJ1神戸戦


初の女性指揮官のマルティネス監督「魂をもって戦う」

天皇杯で大物食いなるか、JFL鈴鹿がJ1神戸戦

天皇杯1回戦の刈谷戦で指揮を執る鈴鹿ポイントゲッターズのマルティネス監督(中央)=5月23日、三重県鈴鹿市©鈴鹿ポイントゲッターズ(時事)

 16日のサッカー天皇杯全日本選手権2回戦で、日本フットボールリーグ(JFL)の鈴鹿ポイントゲッターズ(三重)がJ1神戸に挑む。鈴鹿を率いるのはJリーグ、JFLを通じて初の女性指揮官のミラグロス・マルティネス監督(36)。神戸には2016年度大会の2回戦で1-7と大敗しており、「親善試合ではない。勝ちに行くところを見てほしい。魂をもって戦う」と意気込む。

 スペイン出身。DFとして同国女子2部などでプレーし、22歳で指導者の道へ。アルバセテ女子を1部昇格に導いた実績もある。19年に鈴鹿監督に就任。来日のきっかけはJリーグ理事で、ビリャレアルでスタッフを務めていた佐伯夕利子さんによる紹介。男子トップチームを指揮したことはなかったが、「新たな試み」として女性監督を探していた鈴鹿からのオファーを受け「すぐに決めた」という。

 目指しているのはボールを支配する攻撃的サッカー。当初は戦術の落とし込みに苦労したそうだが「年々チームは成熟している」。就任2年目の昨季はJFL5位に躍進。今年、Jリーグ「百年構想クラブ」に認定され、クラブは来季J3ライセンス取得申請に向け動いている。昇格にはリーグ戦で最低でも4位になる必要があるが「今季でのJ3を目指す」。

 国内では今季、山下良美審判員が女性として初めてJリーグ公式戦で笛を吹いた。サッカー現場での女性の進出が増えつつある中、マルティネス監督は「いろんな人が興味を持ってくれている。良い例になればと感じている」と自身の存在も前向きに受け止めている。