英首相、感染症危機の再発防止で国際協定策定へ


G7サミットで合意へ、結束して余剰ワクチンの提供を

英首相、感染症危機の再発防止で国際協定策定へ

先進7カ国首脳会議(G7サミット)開幕を控えて開催地に入ったジョンソン英首相=9日、英コーンウォール(英首相官邸提供・時事)

 ジョンソン英首相は10日、南西部コーンウォールで開かれる先進7カ国首脳会議(G7サミット)で、感染症危機の再発防止のため、新たな国際協定の策定に着手することで合意すると明らかにした。来年末までに世界中で新型コロナウイルスワクチンの接種を完了することでも一致する。11日の開幕を前に、英政府が首相の寄稿を公表した。

 首相は「世界がこの会議を必要としている。コロナによって国際秩序と連帯感が大きく揺らいだ」と指摘。「医療用防護服や医薬品、さらにはワクチンを必死になって探し求めるうちに、各国は(他国に犠牲を強いる)近隣窮乏化政策をとるようになった。サミットではこれを過去のものとする」と宣言した。

 その上で、「今こそ世界で最も偉大で技術的に進んだ民主主義国家が責任を果たし、世界にワクチンを提供する時だ」と強調。G7が結束して余剰ワクチンの提供を進める意向を示した。

 首相はまた、G7を自由や民主主義、自由貿易などの価値観を共有する集まりとして再定義したい考えを表明。さらに韓国、インド、オーストラリア、南アフリカを招待したことを挙げ、これを「民主主義イレブン」と名付けた。(コーンウォール時事)