圧巻の鉄棒15・766点マーク、内村航平が決勝へ


体操全日本種目別予選を1位で、手放し技や着地も完璧

圧巻の鉄棒15・766点マーク、内村航平が決勝へ

鉄棒演技で宙を舞う内村航平=5日、群馬・高崎アリーナ(代表撮影・時事)

 五輪代表争いのラストチャンス。失敗の許されない演技で、元世界王者の内村が集中力を見せつけた。予選の鉄棒ですべての技をほぼ完璧に決めて15・766点。「ミスなく着地まで決められたのは大きかった」。表情は淡々としていたが、確かな手応えを口にした。

 圧巻の出来と言っていい。H難度のブレトシュナイダーに始まり、カッシーナ、コールマンと手放し技を鮮やかに決めていく。課題に挙げていた着地もぶれずにぴたり。「練習を積めたことと、(大会に)ピークを合わせられたことが要因」と振り返った。

 体操は五輪翌年に採点規則が改められる。技のレベルが上がるためで、前回の五輪と得点を比較すると見劣りするのが通例だ。しかし内村は、個人総合連覇のリオデジャネイロ五輪で出した15・800点に迫るスコアを出した。「出過ぎですよね」と言いながらも「今までは着地が止められなかった。(審判の)印象は良かったと思う」。

 跳馬の米倉と種目別代表の座を争い、有利な立場で決勝を迎える。細かい修正点はまだあると言い、「満足していない。良くなかったところが浮かぶ」と切り替えに努めた。さらに完成度を上げ、胸を張って東京五輪の切符をつかむつもりだ。