ヤクルトの青木宣親、苦しんで達成した偉業


「すごく幸せ」、ベテランが日米通算2500安打を達成

ヤクルトの青木宣親、苦しんで達成した偉業

1回、日米通算2500安打を放ち一塁上でファンにあいさつするヤクルトの青木=26日、神宮(時事)

 苦しみながら、節目の数字にたどり着いた。ヤクルトの青木が一回に右前打を放ち、日米通算2500安打を達成。「すごく幸せ。特別な日になった。野球に対する熱意は誰にも負けないと思ってやってきた」と感慨深げに振り返った。

 「安打製造機」がなかなか節目に到達できなかった。最近は打率2割台前半と低迷。残り3本で迎えた前カードから家族を球場に呼んでいたが、その3試合で計2安打。前日25日は無安打だった。「子どもの習い事を休ませてしまった。でも、安打はそう簡単に打てない」。ようやく家族の前で達成し、七回には2501安打目。チームも勝利で花を添えた。

 今年は自分でコントロールできない状況に身を置いてきた。1月は共に自主トレーニングを行っていた村上が新型コロナウイルス陽性になり、好調だった開幕直後にもチーム内でコロナ陽性者が出た。いずれも濃厚接触者となり、2週間の自宅待機を経験。4月16日に戦列復帰してからは結果が出ずに悔しがる場面が目立った。

 それでも、ベンチでは仲間を鼓舞し続けた。近くで見てきた高津監督は「悔しがり方、応援、激励の仕方、全てがチームの力になっている」と、結果が出なくても切り替えて声を出す姿を頼もしく感じている。

 プレーだけでなく、精神面でもチームを支えているベテラン。今季から主将を務める山田、4番を任される村上ら後輩にとって、その背中は最高のお手本になっている。