JR東日本、山田線の地元への事業移管を検討
第三セクターの三陸鉄道で一体運営
東日本大震災で被災し運休が続くJR山田線の一部区間(宮古~釜石、55キロ)の復旧について議論する復興調整会議が31日、盛岡市内で開かれた。JR東日本は山田線の運休区間の南北に接続する形で、南リアス線と北リアス線を運行する第三セクターの三陸鉄道(岩手県宮古市)に事業を移管し、一体運営する案を提示した。今後、三陸鉄道や地元自治体で協議し、検討を進める。
山田線の復旧費は、約210億円と試算されており、JR東日本が約140億円、国が約70億円を負担する計画。JR東日本が赤字補填(ほてん)や設備改良などの支援も行う。
JR東日本は当初、バス高速輸送システム(BRT)を使った復旧を提案したが、県や地元自治体が鉄道再建を求めていた。
記者会見したJR東日本の山口保幸復興企画部担当部長は「縦貫鉄道としての利用により、住民に高い交通利便性を提供できる」と一体運営の利点を強調した。