松井秀喜氏、臨時コーチでキャンプに参加
精力的な巨人キャンプ初日、若手に貴重なアドバイス
視線は現役時代の鋭さが消え、温かいものに変わった。12年ぶりに古巣の巨人に戻ってきた松井臨時コーチは、柔和な表情で選手を見詰めた。キャンプ初日を終え、「選手の元気な姿を見て頼もしいと感じた」。晴れ渡った空の下、充実感がにじんだ。
精力的に動いた。2軍の球場では、昨季まで自身の背番号「55」を着けていた大田の打撃を見守り、助言を送った。内容は「2人の秘密」とはぐらかしたが、大田は「率直にうれしい。この機会を逃さないようにしたい」。伸び悩む大器は目を輝かせた。
2軍のブルペンにも足を運び、宮国の投球を視察。全体練習後には亀井の居残り特打で打撃投手を務め、95球を投げた。「夢のよう。最高の1日」と亀井。日米で実績を積んだ偉大なOBの存在は、これまでにない刺激を与えた。
立場を変えて臨んだキャンプは「選手の時とは違う。少し違和感はある」と戸惑いもあった。ただ、移動の際はあっという間に人だかりができ、サインを求めるファンが後を絶たない。「松井フィーバー」は現役時代と変わっていない。(宮崎)