大谷選手二刀流、日本人選手の存在感高めたい
米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平選手は、米カリフォルニア州アナハイムで行われたインディアンス戦で、メジャー初本塁打を放った。
投手としては既に1勝を挙げている。投手と打者の「二刀流」が大リーグでも輝き始めた。
ルース以来の記録達成
大谷選手は8番指名打者で先発出場。打者としては3月29日の開幕戦に続き2試合目の出場で、本拠地ではデビュー戦となった。その最初の打席で初本塁打となる3ラン。この試合では4打数3安打3打点の大活躍で、エンゼルスは13-2で大勝した。試合後のヒーローインタビューの最中に頭から氷水を掛けられるなど、チームメートからも手荒い祝福を受けた。
1日のアスレチックス戦では投手として先発し、二回に逆転3ランを浴びたものの、ここから踏ん張った。三回以降に許した走者は四球の1人だけとほぼ完璧に抑え込み、味方の援護もあってメジャー初登板で白星を挙げた。勝利投手となった選手が、次に投手以外で先発出場して本塁打を放ったのは、あのベーブ・ルース(当時ヤンキース)が1921年6月に記録して以来だという。
大谷選手は日本プロ野球で最速の165㌔をマークするとともに、日本ハムでは2年目の2014年に史上初の2桁勝利(11勝)と2桁本塁打(10本)を達成するなどの実績を残して大リーグへの挑戦を果たした。
オープン戦では調子が上がらず、その実力を疑問視する米メディアもあった。だがレギュラーシーズンが開幕してからは、こうした見方を吹き飛ばすような成績を残しているのは見事の一言に尽きる。
もちろん、これからも調子の上がり下がりはあるだろう。日本との違いに戸惑う場面も出てくるはずだ。しかし、日本で培った二刀流を本場の米国でも貫くことは、ファンにも大きな夢を与える挑戦だと言える。大舞台でさらに成長し、実力を発揮することを期待したい。
大谷選手のほかにも日本人大リーガーが活躍している。特に注目したいのが、44歳の今シーズンに古巣のマリナーズに復帰したイチロー選手だ。
昨年秋にマーリンズからフリーエージェント(FA)となって以来、なかなか所属チームが決まらず、ファンをやきもきさせた。マリナーズ復帰後も、キャンプ中に右ふくらはぎを痛めたり、頭部死球を受けたりするなど、一時は開幕スタメンも危ぶまれた。
だが開幕戦に出場すると、3月31日のインディアンス戦で本塁打性の当たりを好捕する超美技を披露。この日は2安打を放ち、メジャー通算安打を歴代21位の3082に伸ばすなど存在感を示している。マリナーズとエンゼルスは同じアメリカン・リーグ西地区で、イチロー選手と大谷選手の対決も楽しみだ。
ファン沸かせる活躍を
ダルビッシュ有投手(カブス)や田中将大投手(ヤンキース)、さらに今シーズンから大リーグでプレーする牧田和久投手(パドレス)や平野佳寿投手(ダイヤモンドバックス)らの日本人選手にも、日米のファンを沸かせる活躍を期待したい。