中朝の核の脅威に警鐘、敵基地攻撃能力の保持を


世日クラブ

元護衛艦隊司令官 金田秀昭氏が講演

 世界日報の読者でつくる世日クラブ(会長=近藤讓良・近藤プランニングス代表取締役)の定期講演会が18日、都内で開かれ、元護衛艦隊司令官の金田秀昭氏が「現実味増した金正恩の核の脅威」をテーマに講演した。

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世日クラブで講演する金田秀昭氏=18日夕、都内で

 金田氏はまず、北朝鮮と中国の核・ミサイルの脅威の実態を紹介。「北朝鮮は、最低限の核抑止力を保有することで、金王朝の維持を目指している」とし、一方、中国については「多種多様なミサイルを多数保有することで、海洋強国を目指している」と指摘した。中でも、米空母打撃群を狙う中国の対艦弾道ミサイルの脅威を強調した。

 その上で、2020年の東京五輪をめぐって想定し得るシナリオとして、「北朝鮮が五輪をボイコットし、弾道ミサイルを発射する可能性がある」と指摘。また、「中国も、いま進めている空母部隊編成の完成時期がちょうどこの年に当たり、日本の南西列島線を突破し、米国のグアムやハワイの戦略基地への牽制(けんせい)行動を取るかもしれない」と警鐘を鳴らした。

 こうした中朝の核・ミサイルの脅威に対し、金田氏は日本の取るべき総合ミサイル防衛施策として、諌止(かんし)、抑止、拒否、防衛、極限の英語の頭文字をとった「5D」を提唱。中でも、策源地(敵基地)攻撃能力保持の必要性を強調した。そして、必要なミサイル防衛システムとして、陸海空3自衛隊を統合して運用する防空ミサイル総合防衛(ABCD)を紹介、防衛省が次々期中期防での導入を目指していることを明らかにした。

 冒頭にあいさつした近藤会長は、「世界の軍事バランスは変わった。日本は自立しなければ、日米安保は成り立たない。日本の応分の軍事負担は当然だ」と述べた。