元旦社説で安保重視した読・産、国の根幹を論じようとしない朝・毎
◆過剰報道は煽動の類
新しい年を迎えて、新聞の使命を改めて考えてみる。
新聞は「社会の木鐸(ぼくたく)」と呼ばれる。木鐸というのは、木製の舌のある鉄でできた鈴のことで、中国で法令などを人民に宣伝するときに鳴らしたという(「礼記」)。それが転じて世人を覚醒させ、教え導く人を指すようになった。
「宣伝」という言葉を欧州で始めて使ったのはカトリック教会で、1622年のことだという。宗教改革に対抗するため教義を体系化し、その伝播活動で宣伝という概念が登場した。思想や主義・主張を大量の人々の間に浸透させ、定着させる試みという意味だ(藤竹暁『マスメディアと現在』)。
...【全文を読む】