「母家より起きよと電話秋出水」(杉森干柿)…


 「母家より起きよと電話秋出水」(杉森干柿)。今年は台風の襲来が多い。特に、記録的な大雨による河川の氾濫で被害が続出している。このほどの台風21号でも、大雨による土砂崩れなどが発生した。

 秋には台風による被害が多い。俳句の歳時記に「秋出水」という季語がある。稲畑汀子編『ホトトギス新歳時記』には「台風季の豪雨によって、秋も出水が多い。単に『出水』といえば夏季、五月雨(さみだれ)ごろの出水をさす」とある。

 日本の河川は長さが短く、流れが速い。それだけに台風などによる被害も甚大になりやすい。こうした事態になると、まず交通機関が大丈夫かどうか心配になる。自動車が流されたとか、駅前の道路が冠水したとか、ダムの放流とか、ニュースを聞くと帰宅できるかどうか心細くなる。

 きょうから11月9日までは「読書週間」になっている。今年の標語は「おかえり、栞(しおり)の場所で待ってるよ」。この標語は、基本的に紙の書籍を意識したものと言っていい。栞を挟むというのは、電子書籍ではできない。

 栞というと、これまで数多くのものを見てきたが、シンプルなものからイラストや名言が掲載されたもの、紙のものから薄い金属のものまで、さまざまな種類があった。

 紙の書籍には栞のほか包装のデザインなど、手触りや見た目などの感覚的な喜びがある。もちろん、本をめくり、読みながら考え、ふとわれに返って栞を挟む。そうした充実したひとときこそ貴重である。