昨日の午後1時、気流子は東京・銀座4丁目…
昨日の午後1時、気流子は東京・銀座4丁目交差点付近で人を待っていた。ちょうど天皇陛下の「即位礼正殿の儀」の行われる時間で、テレビの中継があったが、数カ月ぶりに地方から上京した友人の都合に合わせざるを得なかった。
即位を祝う日の丸が飾られた銀座通りに10分ほど前に到着した頃は、小降りだが雨が降っていた。友人から携帯に電話があり、少し遅れるとのことだった。仕方なく和光デパートの大時計を見ながら待っていたところ、にわかに晴れ間がのぞき、日が差してくるではないか。
15分ほど遅れてきた友人に「すごいね、天皇晴れだね」という言葉が口を突いて出た。NHKのニュースでも、儀式の行われる直前に空が晴れて日も差し、虹まで出たことを報じていた。
「天皇晴れ」では、昭和天皇が1975年、米国を訪問された時の逸話が有名だ。今にも雨が降りそうな中で始まったホワイトハウスでの歓迎式典で昭和天皇がスピーチされる番になった時、急に日が差した。「やはり太陽の子孫だ」と列席者を驚かせた。
天候ばかりは、どうしようもない。即位礼正殿の儀に参列した海外の賓客たちも、偶然とは思えない神秘性を感じたのではないか。
国王や君主には、政治リーダーと違って神秘性が求められる。しかし、これは一朝一夕の自己演出で生まれるものではない。歴史と伝統、内側からにじみ出てくるものに、人知を超えた何かが働いてこそ生まれるものなのだろう。