今年秋の全国交通安全運動の期間10日間の…
今年秋の全国交通安全運動の期間10日間の交通事故による死者数は、統計を取り始めた昭和29(1954)年以来最も少なかった昨年同期よりさらに5人少ない89人となった。事故件数も9540件(同950件減)で1万件を割り込んだのである。
今年1~6月の全国の交通死者数1418人は、記録が残る昭和23年以降で最も少なかった。こうした成果は7月以降も続いていて、今月16日までの死者数は2355人。年間死者数が戦後最少の3532人だった昨年同期の2628人に比べて273人(10・4%)もの減少だ。
今年も交通死者が戦後最少を更新するのはほぼ確実である。課題は高齢運転者(75歳以上)による死亡事故で、昨年は460件だった(令和元年版「交通安全白書」)。これは、75歳未満の免許人口10万人当たり3・4件に対し、同8・2件で約2・4倍。
原因別でもブレーキとアクセルの踏み間違いが5・4%で、75歳未満(1・1%)の5倍弱に上る。白書は「高齢者の交通安全は、歩行者としても運転者としても重要な課題だ」と指摘。
「自動運転技術など新たな技術を的確に交通安全に生かしていく」ことを強調する。ピーク時に年間1万人を超えた交通死者数は、平成の30年間で3分の1以下に減少した。
シートベルトやエアバッグなど車両の安全性向上、悪質運転の厳罰化などの寄与が大きかったが、これからは自動ブレーキ機能など新技術にかかる期待が大きい。