千葉県内で1週間以上続く停電は、送電設備…


 千葉県内で1週間以上続く停電は、送電設備の故障、主に電柱の倒壊が原因だが、同僚の話では、富津市の一部で14日に停電は解消されたものの、携帯電話は依然つながりにくいそうだ。

 普段から電気を使えるのは当たり前と無意識的に思っている分、なくなると不安感やいらいらだけが募ってきて、生活面の自衛力もだんだんと萎えてくる。電気のありがたさをしみじみと感じる。

 東京都内では大きな停電の被害はなかったが、電力供給を断たれた都市生活の混乱ぶりを想像するだけで目の前が真っ暗になる。東京には政治、経済活動の場、大学などの教育機関も多数あり、都市機能の停滞がさらなる停滞を呼び込んでしまう。

 今の日本で、まさかエネルギーの供給が止まることはないと楽観できるだろうか。エネルギー自給率は2010年で20・2%、16年には8・3%と上がっていない。石油、天然ガスは海外頼みで、需要は増えているが供給は限られる。とても大国とは言えまい。

 先の大戦で、日本は石油などの資源を求めて走り、最後は物量の差で敗れた。終戦直後はその実感もあって、エネルギー安全保障のため、原子力の平和利用に思いが至った。

 その後、軽水炉原子力発電、高速増殖炉の研究を中心に開発を進めてきたが、この方向が今、すこぶる怪しくなってきた。エネルギーの安定供給こそ民生の安定と強固な国造りに必要だと千葉の停電被害は教えている。