わが国は2030年の電源構成で再生可能エネ…
わが国は2030年の電源構成で再生可能エネルギーの割合を22~24%とする目標を設定している。比較的小さい初期投資で済む太陽光や風力の発電所が各地に建設されたが、採算が取れず撤退している所が少なくない。
去年秋の臨時国会で成立し、今年4月施行の法律に「洋上新法」がある。既に海外では発電源としての割合が大きい洋上発電を促進させるのが目的で、近海の風力利用ルールを定めた。
これまでも国内に発電所の候補地が幾つかあったが、環境アセスメントの取り扱いの問題で地元や観光業界が反対し、投資規模が膨大で大半の企業が建設に二の足を踏んだ。今回、政府が洋上発電のロードマップを示し、事業者を後押ししようというもので時宜を得ている。
早速、500億円を投じ、超大型洋上風車の建設に対応できる世界最大級の作業船を建造することを決めたのが清水建設。建設受注だけでなく「自らが事業主となって洋上風力に投資することも視野に入れる」(井上和幸社長)と。
青森西北沖の洋上風力発電の事業運営に向けて日立造船などは合同会社を設立し、5年先の稼働開始を目指して活動を始めた。洋上発電の先進地域である欧州各国のノウハウも学びたい。
隣国に目を向けると、中国は原子力発電所の建設に血道を上げ、さらに国家主導で洋上発電に世界で最も力を入れている。わが国も石油に代わるエネルギーの開発を停滞させることは許されない。