国土交通省は、2018年度の主要都市部における…


 国土交通省は、2018年度の主要都市部における鉄道のピーク時(朝のラッシュ)混雑率を発表した。1位は17年度に続き東京メトロ東西線の199%で、ほかに東京圏の10路線が180%を超え、昨年から高止まりの状況が続いている。

 ただ実際の感触としては、車内もさることながら、乗り換えや出口改札への通路の混雑ぶりは近年、度を越していると感じる。例えば、東西線の日本橋駅は構内が工事中ということもあって、通路に乗降客がひしめき合い身動きが取れない時がある。

 新宿が起点の京王線の場合、夕方の時間帯に電車を待つ人たちがプラットホームからあふれ、改札口に通じる階段上まで列をなしていることが少なくない。

 京王線は07年から16年までの間に、年間の延べ乗降客が約2800万人増え、増発やダイヤの組み替えで車内の混雑緩和に尽くし効果があった。しかし、新宿駅の乗り場の面積は一定のため、構内の混雑解消は難しく、職員の巧みな誘導にも限界がある。

 車内では人の移動がないので、乗客は我慢の一手で何とか済ませられる。しかし人の行き来があるホームでは、互いの接触が思わぬ事故を招き、特に高齢者には厳しい。

 新宿だけでなく、東京、池袋、渋谷などのターミナル駅の混雑ぶりも相当なもの。来年は東京五輪。このほど東京都は混雑緩和のため、時差出勤など大規模な実証実験を始めたが、どのような結果が出るか、注目したい。